英国で働く金融サラリーマンの日記

英国と日本の違い、個人的な記録

飲み会精算は振込で (振込手数料の話)

 

英国ロンドンで金融サラリーマンをしています。(主に金融関係の)雑記を綴ろうと考えています。

 

宜しくお願いします。

 

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第1回目のテーマとして、ちょうどいいテーマが時事通信社の主要ニュースからみつかりました。

 

それは、「邦銀サービス、世界に遅れ = 振込、夜間・休日処理されず」(2014/01/02)という記事です。この記事は英国では、振込が「24時間365日」リアルタイムに実施されること、それに加えて、英国では振込手数料が無料であることを伝えていました(他方で、本邦では平日の限られた時間の処理、有料)。

 

これは、2008年に、Faster Payment Service (FPS)が稼動したことによって実現しました。

 

(詳細はhttp://www.fasterpayments.org.uk/

 

このFPSが提供する「即時・無料」のサービスによって、実感では、おそらく2012年くらいから、飲み会の精算は現金・小切手の手渡しから振込へと大きくシフトしていきました。

 

長らく英国では、大口送金システム(CHAPS)と総合振込システム(BACS)が長らく2本立ての送金システムとして稼動していましたが、前者は手数料が高く、後者はいわゆる法人でないと使えないシステムでしたので、個人間のお金のやり取りは、(金額が)高額であれば小切手、小額であれば現金でした。FPSの構想を耳にしたときには、小切手・現金で間に合っているのに、そのような新システムが必要なのだろうかと疑問視していましたが、予想以上に便利です。 FPSは、2005年に設立タスク・フォースが立ち上がり、2008年には稼動にかこつけたわけですから、英国の金融に対する本気度を感じることができました。

 

2012年ロンドン・オリンピックの前後で、公共交通・公共サービスの質が向上したと感じていますが、やはり金融立国・英国の実力はこういった金融分野の対応の早さに現れていると感じます。

 

英国の銀行は、振込手数料は無料、他方で、FPSの利用料は利用量に応じて按分とのことで、この内国為替業務(=振込)からどのように利益を得ているのか不思議におもいます。内国為替業務(=振込)からの収入も厳しく管理をしている邦銀にはなかなか真似が出来ない類の話だと感じます。

 

最後に、FPSのウェブページについて。とても詳細について分かりやすく記載されていて驚きました。日本の全銀・日銀のウェブページで振込関係を調べたらこうはいかないでしょう。